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「重力をめぐる冒険」(講師:大栗博司先生)

 投稿者:たけのや  投稿日:2012年 6月 4日(月)00時00分50秒
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   2月10日新宿にて開催された「重力のふしぎ」の際に予告され、直前には「素粒子論のランドスケープ」(数学書房刊)、「重力とは何か」(幻冬舎新書)が出版され、これら著書からほぼ内容も予測された大栗博司先生の「重力をめぐる冒険」の講座が6月2日、新宿にて開催されました。土曜夕刻4時間の集中講座にもかかわらず予約は早々満席となっており人気の講座になっていました。当日は1時間前から並び始め、最前列から埋まり始めた聴講者側の期待感の非常に高い講座だったと思います。4時間で402枚のスライド枚数。1枚1枚の情報量を限定して伝える方法です。しかし、カルフォルニア工科大では相対論1年、量子力学2年、超弦理論1年の合計4年間の授業内容を4時間でまとめる野心的講座と思います。

 どこに注目するかは、たぶん大学の講座とは異なっており講演者の腕の見せ所、聴講者に強く印象付ける事が重要だと思うからです。数式を用いない。結論を大栗先生固有の方法で説明をされる。聴講者が直感的に理解できたと思えば先生の勝利、狐につままれた様な顔をしていれば、先生は次回講座の際、別の方法で再挑戦を要求される事になるのでしょう。双方とも理解したいと思うのだが、必ずしもうまく行かない。人それぞれの考え方、理解の仕方があるのだなぁ、と思うのが感想です。しかし、全体としてうまく説明されていると思うことは、「重力とは何か」(幻冬舎新書)を読んでみると分かる様に思います(こちらも人気の様で、刊行2日目で重版が決定したそうです)。

 個人的に興味深かった所は、やはり超弦理論の所でした。自然界の法則を、より基本的な法則から導こうとする還元主義の極北、即ち「究極の理論はある」と断言されています。すべての粒子は「ひも」で出来ていると考える超弦理論において、理論から出てくる余計な粒子が実は重力を伝える事が解ったこと、理論で必要な余計な6次元が素粒子模型の構造の起源である事が解ったことで、超弦理論が再度見直され(1984年)、ホーキング博士から出されてブラックホールの情報問題(因果律の破綻)を講演者らが提唱した「トポロジカルな弦理論」が解決する鍵となった事で、超弦理論に新たな進展がもたらされ、更に、3次元空間の重力理論は、空間の果ての重力を含まない理論に写像出来るという重力のフォログラフィー原理によって、ブラックホールの情報問題の様な量子重力の深い謎を、重力を含まない理論に翻訳する事が出来るという。ホログラフィー原理により超弦理論の思いがけない応用が可能となったという超弦理論の進展過程は、やはり当事者だけに説得力がありました。

 今回のおみやげはチョコレート。前回キャンデーが「むちゃくちゃ甘い」と書いた事がいけなかったか、チョコレートに変更され、今回は「むちゃ甘い」程度に改善されました。しかし、甘い事は大切な事の様です。超多忙な大栗先生はエネルギー補給に講座中で3個食べて乗り切って行かれました。教室満員の事もあって、先生とはとても身近な距離に感じられ、後々思い出せば、楽しい思い出になる様に思います。

(※ 古いバージョンのものを投稿してしまって、6月4日の朝、入れ替えました。)
 
 
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