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大栗博司先生「超弦理論」聴講してきました

 投稿者:たけのや  投稿日:2013年 6月23日(日)00時14分24秒
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  大栗博司先生「超弦理論」聴講してきました。

本日(6月22日)13:00~17:00、みっちり4時間です。1日で2コマ分なので、かなりの高額にも関わらず、短期間で予約も満席となっていて、場所を地下1階住友ホールに移して2倍に拡大した定員枠もあふれて、210名の参加とのことでした。

過去何回かの大栗先生の講義を聴講しましたが、今回は先生の専門「超弦理論」、内容は息継ぎ無く詰まっていました。全体としてこれだけは伝えておこう、という気持ちが良く現れていて、誠実な先生の人柄が出ている様に思えました。しかし、色々なレベルの聞き手に対して気を遣われているとは思いましたが、まだまだ余裕は有る様で、こちらが息詰まる様なこともなく聞き進めてゆけました。

しかし、内容自体は、もともと難しいお話。スライド枚数は269枚を使って、平均54秒に1枚。従来の講義は二十数秒に1枚のスピードでしたので、時間をかけて説明していただいたと思います。

今回のトピックは、
・水が、分子の運動のレベルでは、氷、水、水蒸気の区別が無い様に、超弦理論では、2次元、3次元、4次元等、基本法則のレベルでは次元の区別はなく、「空間は幻想なのか」です。

・普通の理論では「なぜ空間は3次元なのか」に答えられないことに対して、ボゾンを扱える「弦理論」では25次元、「超弦理論」では9次元でなければならないと決められるとのこと。この25とか、9とかの数字を、えぃっとはしょって講義の中で導き出す手際の良さは数学の大先生だからこそ、素人相手にさらりと済ませるさまは、思わず拍手が出るほどでした。

・超弦理論自体の発展は、「理論の病気(アノマリー)」を克服するための、未知の世界を探求する地図を持たない旅人の苦節の日々から生まれた事が語られ、9次元の空間から3次元の素粒子模型を作ると同時に、隠された6次元に対して、大学院一年生であった大栗先生が「自然界の法則が、隠された6次元の空間の中に書き込まれている可能性を、美しいと感じた」ことが話され、大栗先生との超弦理論の関わりが語られます。

・さらに、9次元の超弦理論に対して、10次元を持つ超重力理論が出てきて次元が増えながらも、一方で、大栗先生の「重力とは何か」(幻冬舎新書)にも出てくるブラックホールの重力現象で、「3次元空間の重力理論と、2次元面上の重力を含まない理論とは同等である」ことが語られ、「空間は幻想である」と語られます。

・加えて、相対論の同時性問題から「時間は幻想か」と問い、宇宙背景放射以前の時間の宇宙の観測にも話はおよびます。

・また、紀元前の古代ローマの哲学者ティテゥス・ルクレティウス「物の本質について」で「宇宙は新しく、世界は未だ若く、生まれ出たのがさほど古くはないから、今に至るある種の学問は進歩をたどり、今なお発展している」と語り、自然界の最も基本的な法則の候補である超弦理論も、その野心的な目標を考えれば、「未だ若く、さほど古くない」ので更なる発展を期待してほしい、と結んでいます。

会場からの問いに、日々の研究に対して、長期テーマと短期テーマを組み合わせて、「地図を持たない旅人」ながら、オアシスを求めて先に進む所もあると率直に答えています。また、自分が学生の頃の論文を仕上げる時間と、学問として進んだ現在の学生の論文を仕上げる時間とにあまり差がないことから、超弦理論が知力の限界に達しているとは言えず、まだまだ進んでゆく、と答えています。

< 写真は、今回頂いたチョコレート : クオークの様に並べてみたりしたものの、今は胃袋の中 >
 
 
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